コラム:「ライブ配信」の新たな形 ——アフターコロナの世界を取り巻く音楽環境の変化——
2020 年 7 月 5 日現在、新型コロナウイルス感染症( COVID-19) が猛威を振るっています。日々不安な情報が飛び交う一方、コロナウイルス流行終息後の新たなライフスタイル、「アフターコロナ」が話題を呼んでいます。コロナ渦が音楽環境にもたらした変化がどんなものであるかは、「ライブ配信」のあり方の変容にも色濃く現れています。 コロナウイルスの流行初期から、クラスターの発生地として話題になっていた「ライブハウス」では、オンラインでのライブ配信を始める所が増えてきています。しかし、そもそも「ライブ配信」という技術は、コロナウイルス流行の中で生まれたものではなく、ネット経由でのプロモーションに力を入れていたミュージシャン達が以前から取り入れていた技術でした。そうした技術が、コロナの状況下における感染予防の手段として浸透しつつあるのです。 とはいえ、多くのミュージシャンは当初、より多くのお客様に音楽を聴いてもらう為「ライブ配信」を補助的に用いていました。そしてこれは、子持ちの方や遠方に住み足を運べない人々にとって、ミュージシャンと繋がることができるきっかけともなりました。 しかしながら、コロナの影響で主流となりつつある「ライブ配信」は、そうした従来のものとは異なる形で現れます。それが「無観客ライブ配信」です。これはミュージシャンが、人のいない会場から YouTube や Facebook 、 Instagram といったタイムライン上で、「ライブ配信」を行うというものです。また、ミュージシャンが集結することなくそれぞれの家で演奏を行い、そのセッションをライブ配信するという活動も行われています。そして、インターネットなどのネットワーク越しに、できるだけ「音の遅延」をなくすように送り合うことで、離れた場所にいる人々が、リアルタイムでセッションすることができる「 NETDUETTO 」といった仕組みなどが、こうした活動を援助しています。 これらを行うミュージシャンの中には、閲覧権限を有料で販売したり、ネット上に投げ銭を募るなどといった方法で収入を得ているミュージシャンもたくさんいます。そうした中で、リスナーの音楽に対するお金の使い道もこの数ヶ月で大幅に変化していると言えるでしょう。また、ライブ配信を家で聴く為の環境を...